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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

だが、すべてのものは、そう不信を頭において、見くびりを鼻の先へぶらさげてかかった日にはたまらない、せっかくの有縁のものをも、無縁の里へ追いやってしまう。

狗児にも仏性ありというのだから、老猫も一切衆生の中の一物ではある。

その証拠には、さしも柔媚にして狡猾な老猫も、少し首を振り出して来たようだ。蘆管の音律につれて、その首が左右に軽くゆれ出して来たようです。

では、おどり出すかな。この分で行くと、この度し難い動物も、他の度し易い悪獣毒蛇と同じように、茂太郎の動かすリズムにつれて動かされ、おしゃます踊りの手をでも、不思議な態で見せてくれるかも知れない。

この面白い首振りのところで、茂太郎が、ふっと蘆管の吹奏をやめてしまったのは惜しいことです。

笛をやめた茂太郎は、耳をすまして黍畑のかなたを見つめました。

十四

「茂ちゃん、もういいからお帰りよ」

これより先、遠見の番所をさまよい出した岡本兵部の娘。

暗いところの砂浜を西に向って、茂太郎が走り出した通りの道を、さまよい歩きながら、

「お帰りってば」

この娘は、茂太郎が竜燈の松にのぼって歌をうたい、それから西に向って走り出した最初の時から見ていて、追わなかった娘であります。