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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
そうして、特に海の問題について、駒井の知識をたたくと、それが田山には、無尽蔵の知識のように思われて、単に海の知識を聞くだけでも、相当の年月をここに費して足りないとさえ思われるのです。
田山は全く駒井の知識に敬服している。人物思想の全幅に傾倒するというには、どことなく物足りないことがあるけれど、駒井の知識の実際に根ざし、計数を基として、ねちねちと語り出されるときには、絶対無条件で敬服、聴従するのが例であって、今もその通りです。
田山はおそらく徹夜して、その駒井の持てる知識の傾注に、飽くるということを知らないでしょう。
駒井もまた、この男に語るのは、知識を捨てるのだとは思えない。自分自身すらも、研究室にあると同じほどの熱心をもって、それからそれと語り出でて、このごろは食後、そのままが直ちに研究の結果の発表になってしまったり、講壇の講義そのままになってしまったりすることが、珍しくはありません。
金椎は気を利かして、蝋燭を立て増してこの部屋を明るくし、炉炭を加えてこの室を暖かにし、二人が、いつまでも語り明かすに不快を起させまいと働きます。
ひとり、例のウスノロ氏――改めマドロス氏は、以前の通りそうごうをくずして横椅子の上に、たあいなくふんぞり返って、いびきをかいているばかりです。