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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁

青空文庫

「こいつは恐れ入りやした、これは驚き入りやした、暴力は恐れ入ります」

金助が、けたたましい声を上げて、仰山な驚き方をして、打たれた頭を、盛んに撫でさすりましたから、お絹が、

「もう一つ打って上げようか」

手を振り上げたところが、金公、存外騒がず、

「結構でございますな、もう一つ打っていただきやしょう、打ってお腹が癒えるものならば、たんとお打ち下さいまし、あなた様に打たれるのは、あの人に打たれるのと違いまして、痛くございません、どうぞたんとお打ち下さいまし」

といって、いけずうずうしく金公が、またもその頭をお絹の前に突き出しました。

お絹も、いよいよ呆れ返って、

「望みなら、いくらでも、ひっぱたいて上げるよ」

かの女は、金公の頭を続けさまにぴしゃぴしゃとはたきました。

「痛くございません、あの人にたたかれるよりは、決して痛くございません」

いい気になって、いくつでもたたかせているから、お絹も張合い抜けがして、こんな安っぽい頭を、いくつたたいてもたたきばえがしないと見切り、手荒く突き放してしまったものですから、ハズミを食って、三尺ばかりケシ飛んでしまいました。