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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
「あなたは、どなたですか」
と尋ねますと、
「はい、私は幸内と申します」
と答えたままスラスラと火の海を渡って、あの二人のどくろの前へ近づくと、おどり狂うように、その前にひざまずいて、やがて二つのどくろをかわるがわる両手に捧げて、立ちつ、居つ、おどっているのを弁信が、見えぬ眼でまざまざと見ました。
「是生滅法、生滅滅已」
と弁信は合掌してから、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、と限りなく、念仏の声が口をついて出でました。
三十三
その火事があって幾日かの後のことでありました。恵林寺の慢心和尚が、途轍もない大きな卒塔婆をかつぎ込んで、従者を一人もつれずに西の方へスタスタと歩いて行くのが、白日のことですから、すべての人が注目しないわけにはゆきません。
「恵林寺の大和尚が、素敵もなく大きな卒塔婆をかつぎ込んで、西の方へ向いていらっしゃるが、どこへおいでなさるのだろう」
「左様さ、どこぞの供養か、施餓鬼へでもおいでなさるのだろうさ」
「どうです、ごらんなさい、あの大きな卒塔婆を……何丈ありますかねえ、木とは言いながら、あれだけのものは、へたな牛でもにないきれますまいね」