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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
一夜づくりの修行では、やりそこなうのは当然だ、といって笑う。
いったい、盗賊というやつは、先天的に忍術を心得ているのだろう、という者がある。
いや、忍びに妙を得ているから、盗賊がやってみたくなるのだろう、という者もある。
盗賊としての条件は、第一、忍ぶことに妙を得て、第二、逃げることに妙を得なければならぬ、身の軽いと共に、足が早くなければならぬ、という者がある。
僕の方に、一日のうちに、日光まで三十余里を行って戻る奴がある、と落合直亮がいう。
いや一橋中納言の家中には、駿府から江戸へ来て、吉原で遊び、その足で駿府に帰る奴がある、という者がある。
信州の戸隠山から、一本歯の足駄で、平気で江戸まで休まずにやって来る者がある、という。
そんな雑談から、ついに石川五右衛門論にうつる。
五右衛門は、果して忍術の達者であったろうか、という説。
五右衛門を、盗賊として見るべきか、刺客として見るべきか、の論。
盗賊でも、刺客でもない、彼は一種の英雄として見るべし、という讃。
左様な議論で火花を散らして、さんざんに飲み且つ食い、この四人は八官町の大輪田を辞し、大手を振って、例の四国町の薩摩屋敷に入ったのは、夜の白々と明けそめた時分でありました。