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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

二人もまた、同時にそれを取って食べはじめます。

蓋し、この二人が、今まで炉辺を囲んでいた理由は、この薯の熟するを待っていたものでしょう。そこで今度は、珍客としての兵馬を中心に、食べながら話の緒が開かれました。

「どちらからおいででござった」

「檜峠というのを越えて参りました」

「して、お国は?」

「数年来、諸国を遍歴して歩きまして、昨日は松本を出発いたしました」

「当地へは、はじめて?」

「全く思いがけぬ旅で、これへ入って参ったと申すよりは、いざなわれて参りました」

「お一人で?」

「中房を出る時に、連れが一人ありましたのですが、その連れにはぐれたものですから、それを追いかけるような気分で、つい知らず、この白骨へまぎれ込みました」

「追いかけるような気分で、とおっしゃるのは異様ですな、お連れの方にはぐれてはさだめて御迷惑と存じます」

「連れと言いましても、切っても切れぬ道連れではござりませぬ、ふと中房の温泉で同行を頼まれましたものですから、よんどころなく、一緒には参りましたが、実はどうでもよい道連れだと存じておりましたところ、離れてみて、はじめて自分の責任を感じたようなわけでござります」