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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
尤も、ふだんでさえ冬は人の住まない土地ですから、行かないのはあたりまえですけれど、今度のお化け話はこの夏の終り頃からはじまりました」
「そうですか、拙者は、ちょっと道に踏み迷うたという形で、あの温泉場へ参り、直ちにこうして引上げて来たのですから、お化けにお目にかかる暇が無かったものと思われます、もう少し逗留していたら、そのお化けが挨拶に来たかも知れません」
兵馬が存外、あきたらず受け流すのを、一同がかえって興にのり、
「左様でございますとも、長く御逗留なすっていると、そのお化けにひきこまれなすったかも知れませんが、早く引上げておいでなすったから、お化けも御挨拶を申し上げる暇がございませんで結構でした、後家さんや、浅公なんぞも、早く切上げて来れば何の事はなかったのに……」
それから、一槽の者が、その飛騨の高山の淫乱後家なるものと、男妾の浅公なるものとについての噂を、蒸返し、蒸返し、それにまたまた尾ヒレがついて、この湯槽の中は、その風聞で持ちきりになりましたから、兵馬も思わず興味をもって、これに耳を傾けさせられています。
聞いていると事実はこうです、飛騨の高山の穀屋という金持の後家さんが、箸にも棒にもかからない淫婦で、めぼしい男を片っぱしから引っかける、それがこの夏中から、男妾の浅公というのを引きつれて、白骨の