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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁
この計画はかなり図に当ったようです。夜もすがら、酒を飲ませ、肉を喰わせつつ、思う存分に、エロチッシュを語らせて、それを一室にあって盗み聞くお銀様は、かくてまたこの事に得ならぬ会心と昂奮とを覚えたようです。
それを聞取ったお銀様は、それぞれの名をしるし、名のわからない時は、情夫を幾人持った女、幾人の男に辱しめられた女――亭主を殺した女、殺したといわれるが証拠の無いという女――その罪の輪郭だけを書いた幾つもの位牌をこしらえつつ、その殖えてゆくのに、ほくそ笑みをしています。
最初は、歴史的に、文章記録の上から調べ上げた者、その名は全部過去の人でありましたが、後には、ある部分は過去の人があり、追々に大部分が現存の人であろうとする。お銀様は過去の悪女のために位牌を作るのみならず、現存の悪女のためにも位牌を作っているのです。そうして、その結果が、あっぱれ、この悪女塚の供養式の日には、世に無き亡霊を呼び迎えるのみならず、現に生きている悪女という悪女をことごとく招いて、列席させてみようではないかとの、一種異様なる興味に駆られてしまいました。
この女の我儘と権勢では、やがてその空想の実行にうつるかも知れないが、さて、何の名目で、その悪女のみを集めるか、呼ばれても果して、その招待に応じて、目的の女性たちが集まるか――?