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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

「おや、大相撲らしいが、どんな面ぶれだろう」

と、旗幟の文字を読んでみると、その真先に眼に落ちた一つに、

「大関、舞鶴駒吉――」

という白ぬきの大文字を見た途端に、ツーンと頭へ来てしまいました。

「はあ、舞鶴駒吉――あれからどうしているかと思ったら、こんなところに来ていたのかねえ」

勧進元は誰がやっているか知らないが、乗込んで見れば存外知った面で、おたがいに、これはこれはという段取りかも知れない。

茶屋の前で、ちょっと駕籠を休ませて、

「お嬢様」

と後ろを顧みて言いました。

「はい」

お銀様が、垂を上げない駕籠の中から返事をする。

「相撲はお好きでございますか」

「好きでもありませんが、嫌いという程でもありませんよ」

「田舎にしては、ちょっと珍しい相撲がかかっていますから、のぞいてごらんになる気はございませんか」

「お前さんが見たいと言うんなら、わたしも一緒に参りましょう」

「岡崎泊りには時間がたっぷりございますから、なんならひとつ、相撲を見てやりましょう」

「お前さんのよいように」

「では、お嬢様、これから駕籠を下りて参りましょう、石河原ですけれど、そんなに遠いところではありませんから、おひろいでおいで下さいまし」