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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

定刻というのが、必ずしもきまった時刻という意味ではなく、まず退屈の者が二人ばかり炉辺へたかって、火を焚きながら、無雑作に話のきっかけを作ると、それが緒となり、炉の火が燃えさかると同時に、話がはずみ、話がはずむにつれて人が集まり、おのずから全員出揃いとなって、そうして、相当に節度あり、進退のある閑談の蓆が開かれるのですから、人の集まる時がすなわち定刻で、それは晴雨によって、人々の仕事都合によって、おのずから変化します。

今日は、お正午少し過ぎに、山の神主が来たものですから、すなわちその時が会議の定刻となりました。山の神主は例によって、えびす様そのもののような笑顔をたたえきって、もろもろの話をはじめました。

下で神主が、もろもろの話をはじめている時分、宇津木兵馬は二階で日記を書いておりました。

兵馬に感心なのは旅日記を書くことで、不可抗力の際でもなければ、曾てこれを怠るということがありません。

ただ一つの惜しいのは、喜多川季荘ほどの考証癖があるか、せめてお雪ちゃんほどの文才があれば、この旅日記そのものが、後に残るほどの文献となったかも知れませんが、この点において兵馬は全く不用意であり、子孫に伝えようの、後世に残そうのという衒い気味は少しもなく、ただ今日の心覚えを、明日の参考にとどめておく、金銭出入帳に毛の