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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

が口走ったのです。

「燗をして飲む酒じゃない、このまま飲むのだが、これは無論空罎です。これについて面白い話は、嘉永六年にペルリが浦賀へ来た時分、アメリカの水兵どもがこの中身を飲んで、空罎をポンポン海の中へ捨てたものです、それが、こんなあんばいに海岸に流れつくと、浦賀あたりの役人がそれを見て、あれこそ毛唐が毒を仕込んで、日本人を殺そうとの企みで投げ込んだものだから、拾ってはならない、無断であの空罎を拾った者は、召捕りの上、重き罪に行うべしとあって、人を雇うて毎日流れついて来る無数の空罎を怖々と拾わせ、これを空屋の中へ積込んで、厳重に戸締りをして置いたものだ」

と言いながら、駒井は丁寧にこれを拾い、懐紙を抜き出して周囲の海水を拭い、大切にこちらへ持ち帰りますから、

「毛唐の飲みからしの空罎なんぞを拾って、何になさる」

「見給え――この通り、厳重に封がしてあって、口に符号がつけてある」

「それじゃ、まだ中身があるのですか」

「中身といっても酒じゃない、酒は飲んでしまって、その空罎を利用して、中へ合図をつめて海に流したものです」

「ははあ」

「海流の方向を知るために、或いは何か通信の目的で、そうでない時は、単なる好奇心で罎の中へ、何事かの合図、或いは通信文を認めて、固く封じ込んで、海の中へ投げ込むと、これが漂い渡って、思わぬ人