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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

におよぶものはない……」

この時、頭の上で、大きな鳥の輪を描くのを認めたものですから、清澄の茂太郎は、急にたわごとをやめて、

「あ、ありゃアルバトロスだ」

地上へ卸して見たら、その翼の直径が一丈五尺はあるかも知れない。

もう少し近い空を飛んでいたなら、口笛を吹いてでも呼びとめてみようものを、あの高さでは、自分の魅力も及ばないものと思いあきらめたらしく、

「アルバトロスに違いない」

うらめしそうに、夕暮の空に消えて行く大きな鳥の、白い翼を見送っています。

その見慣れない鳥を、アルバトロスというような名で呼びかけた茂太郎の知識は、駒井甚三郎から出たのではあるまい。多分、例のマドロスが、折に触れては航海話をして聞かせているうち、幾度かその名が出るものだから、海の上を飛ぶ大きな鳥さえ見れば、この子はこのごろ、アルバトロスと呼んでみたくなるのらしい。

事実上、海洋と、孤島とを棲処として、群棲を常とする信天翁が今時分ひとりで、こんなところをうろついているというのも変ですから、或いはオホツク海あたりから来た大鷲が、浦賀海峡を股にかけて、天城山へでも羽をのばしたかも知れません。