輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁

青空文庫

太々しいというのか、それとも羨ましいというのか、呆れ返ったものだ。

今更それを考えて、米友がポカンと呆れ返っていると、その裏から発止と思いついたのは――

何のことだ!

この先生はお医者じゃねえか!

その酔っぱらいのことばかりを考えて、ついに本業のことに思い及ばなかった。

なるほど、この先生は医者が本業である。そうして酔っぱらいが副業である。

副業としての酔っぱらいにかけては手に負えないが、本業としてのお医者様にかけては名人だ。少なくとも米友の経験する限りに於ては、起死回生の神医に近い!

この名医神医を眼前にさし置いて、何を自分が今までしていた! 何が救急だ、何が看病だ!

ほんとうに馬鹿じゃあ楽ができねえ!

と今度は米友が、自分の頭脳の足らないことと、気転の及ばないことの馬鹿さ加減を、自分で冷笑しはじめました。

最初からここに気がついていさえすれば、何を自分がお雪ちゃんをゆすぶったり、締めつけたり、口うつしに水をくれてやったり、また鉄瓶の野郎にまでチンプンカンプンを起させたりする必要がどこにあるのだ。

血のめぐりの悪い奴に逢っちゃあかなわねえ。

と米友が、またしても自分の低能ぶりを嘲りきれない語調でせせら笑ってみましたが、いつまでも自己冷嘲をつづけるのが能ではない、事の実行にとっかかるまでのことだ。