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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,946 字 · 520 頁
お城あとは古え佐々木京極氏のお城あとであり、江北殿はその京極屋形のあったところだという。京極氏は江北六郡の領主で、元弘建武以来の錚々たる大名であり、山陰の尼子氏の如きもその分家に過ぎない――松の丸の閨縁によって豊臣秀吉の寵遇を受け――といった名家であることは、不破の関屋の関守氏が事新しく説明するまでもなく、お銀様の歴史の知識には充分なる予備がある。お銀様は、その名家の屋形のあとをそっくり自分のものにすることに、多少の満足を覚えていないではない。
不破の関守氏は、屋形の隅々をめぐり、ここを指し、彼処を叩いて、往昔の居館の構図を聯想してお銀様に地の理を説明し、ほぼその要領をつくした後に、お銀様のための居館としての一部まで戻って来ると、そこで、自然に別れて、関守氏は工事の監督の方へ取って返し、お銀様はお銀様で、この館の中へ没入してしまいました。
四
その前後の時、このお城あとの西南隅のピークの一角に、お雪ちゃんがおりました。
これは別に離れのようになっているけれども、離れではありません。あちらを本丸とすれば西の出丸になります。廊下伝いに渡って行ける間柄ではあるが、庭を廻って、縁側から出入りするのがかえって人の勝手になっているのは、その縁から庭先が開けてすばらしいながめになっているせいでしょう