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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
路は早くも京洛の町並へ入っているのだ。当時の京都の夜はそれがあたりまえである。どんな勇者でも、京都の町を、深夜と言わず、宵のうちでさえも、独り歩きなどをするものはないのだから、足は王城の下に入ったとはいえ、町は死の沈黙が当然なのであるにはあるが、それにしても、また一層のすさまじさで、歩調を揃えて行く三人の足どりが、どうも地についていない、いずれも宙に乗って走っているかと思われるくらいです。そのくらいだから、雲の飛ぶように、風の行くように、迅いことは迅いのだが、このまた町並というものも、どこまで行って、ドコで終るか知れないほど続けば続くものです。
彼等三人は、さっさっと風を切って進みましたが、しばらく行って、山崎譲がようやく沈黙を破って、
「さて――田楽ざしの四人の者の死骸が……」
その時に、道ばたの町並の町家の一角から人の声があって、きわめて低い声を発して、
「しばらく、しばらく、お控え下さい」
六尺棒を持って、両刀をたばさんだ足軽体のが一人現われて、
「しっ! しばらく、お控え下さい、殺陣があります」
叱するが如く、警するが如く、低く、そうして力ある声。