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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁

青空文庫

と言ったのは、弁信には、弱ったなと言う米友の心持がよくわかるからです。もし、調練の軍隊があの勢いで、こちらへ向って繰出して来た日には、弁信、米友の行先と正面衝突にきまっている。こちらでは衝突するつもりはないけれども、すべて公儀及び官僚の相手は米友にとっては苦手である。彼は今まで、そういう権勢と衝突しなくてもいいところで衝突し、誤解を受けなくても済むべきところを、誤解へ持ち込んでしまっている。最近、このつい隣国で、これがために重刑に処せられんとして、危うく一命を救い出された、いわば兇状持ちにひとしい身になっている。公儀及び官権を肩に着たものは苦手である。なるべくはこれと逢いたくない、できるならば逃避したい、という心持すらが、今の米友には充分に保有されている。それですから、弁信から、その危険の前進性なきことを保証されてみると、弁信の保証だけに信用して、ホッと胸を撫でおろし、

「ドコで調練やってるんだい」

「あれはね、そうですね、鳥羽伏見あたりで歌っているのですよ、練習のために停滞して歌っているので、前進の迫力を持って歌う声ではありませんから、安心なさい」