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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
山科の地点に立って島原の灯を見るということは有り得ないことだが、ありありと島原傾城町の灯が紅く、京の一方の天を燃やしているその灯に、名残りが惜しまれて、後朝の思いに後ろ髪を引かれたのかと思うと、必ずしもそうでもないようです。
またしても、人を待つものらしい。行きには田中新兵衛あたりの人の気配を感じたが、戻りにもまたこのあたりで、どうやら、己れを見かけて慕い寄る人の気配を感じたものらしい。さればこそ待っている。
たしかに、この男の勘の鋭さも昂進してきました。案の如く、人が後からついて来るのです。それは今に始まったことではないので、そもそも月心院の庫裡を抜け出した時から、竜之助のあとをつけて来た人影なのです。いや、それよりも、もっと前、島原の廓を出た時から、三条大橋で待つことを要求された時から、影の形のようについて来た覚えのある人影。
「へ、へ、轟の源松でございます」
先方はもうつい鼻の先までやって来ていて、こちらから咎められるを待たず、先方から名乗って出たのは先手を打ったつもりらしい。
「多分、そうだろうと思った、お前に見せてやりたいものがある、それ故、ここで待っていたのだ」