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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 319,771 字 · 617 頁
本末も、始終も、見境のない女のことだから、その本論は憫笑すべく、その附けたりは傾聴すべしか。というのは、ああいう女が無心で受けて来る巷の声というやつに、案外、時代の政治が反映して来るものだ。
小栗と、勝と、どっちがエライ。そんなことは鼻垂小僧のする質問だが、勝が薩摩と組んで、主家の徳川を倒そうとしている。小栗が金を外国から借りて、宗家のために戦おうとしている。この風聞は聞きのがせないぞ、たとえ市の偶語とはいえ、その拠るところは根が深そうだ。
勝が奸物だという評判は、つまり彼が外交に苦心しているところなんだろう。小栗が軍用金を集めるということは、彼が主戦論の代表だということに、そのままそっくり受取れる。世が末になると、その二派はいつの時代にもあることだ。和戦両様の派が対立して、内輪喧嘩を内攻する。支那の宋の世の滅びた時の朝廷の内外が、つまりその鮮かな一例だ。おれは勝を一概に奸物と見たくないが、小栗の腹には無条件で納得する。彼の家は家康以来の名家で、いつも戦の時は一番槍を他に譲らぬというところから、家康の口から、又一番、又一番槍はその方か、又一、又一の渾名が本名となった祖先の勇武の血をついでいる男だが、現今は勘定奉行をつとめていると聞いた。