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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
なにも兵馬の槍先が最初から怖ろしいのでそれで驚いたのではありませんでした。槍を取れば、宇治山田の米友の眼中に人はなくなるのだから、驚いた後は小癪に触ってただ一突きに突き倒す気合で来たのを、中段につけていた兵馬はスーとそれを引いて、撞木返りに米友の咽喉元へ槍が行く。
「や、や、や」
米友はタジタジと後ろへさがった。
「やるな、こん畜生」
後ろへさがって米友は待の形に槍を構え直した。兵馬は敵の退いただけ、それだけ足を進めて槍もそれと合致して進む。
「それ!」
米友の懸って覘うところは兵馬の眼と鼻の間。その隼のような眼の働き。兵馬はそれに驚かず、ジリリジリリと槍をつけている。
兵馬の槍は格に入った槍、大和の国三輪大明神の社家植田丹後守から、鎌宝蔵院の極意を伝えられていることは知る人もあろう。島田虎之助の門下で、大石進の故智を学んで、刀を以て下げ針を突くの精妙を極めていることも知る人は知るであろうが、ここの見物はそんなことは知らず、米友も無論そんなことは知らず。
縁もゆかりもないところで、事を好んで危きに近寄るのは、人の難儀を見て見のがせなかったためか、ただしは多くの人の見る前で腕を現わしてみたいのか、いくら兵馬が年が若いからとて、それほど物好きに仕立てられてはいないはず。