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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

「左様でございますかね」

「それからその隠ヶ岡の下では、拝田村の芸人がたくさん集まって、あの男の命乞いをするといって騒いでいるそうでございますが、もうこうなってはお取上げになりますまいよ」

「左様でございますかね」

「あいつも根は正直者なんですが、ひょいとした出来心であんなことをしてしまったのでしょう、かわいそうといえばかわいそうですよ」

「それは気の毒なことをしました、どうも大きに有難う」

七兵衛はこれだけの話を聞いて、なんと思ったか、来かかった道を逆に帰って、米友のあとを追うて、見え隠れにどこまでもついて行き、

「こいつには困った、まだまだ俺もここいらで年貢を納めたくはねえのだが……」

七兵衛がこうして隠ヶ岡の下まで来ると、不意に一頭の猛犬が現われて烈しく吠えかかりました。

「叱ッ、叱ッ」

石を拾って打とうとするとその手許へ犬が飛んで来ます。

ムク犬は、どこをどうして来たか、ゲッソリと痩せていました。飛びかかる足許さえ危ないくらいに痩せていましたけれども、猛犬はやはり猛犬でありました。

「叱ッ、叱ッ」

七兵衛は先を急ぐことがあるのであります。落ちていた竹の棒を拾って一打ちと振りかぶると、犬はその手へスーッと飛んで来ました。