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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

「おっと承知、さあ、病人をここへ出したり出したり」

通りかけた老人も初めはなんだか薄気味悪く思ったようでしたが、道庵先生が至って気軽でその上に酔っていると見たものですから、安心したものと見えて、背にかけた小男をそこへ卸します。

「何だい、病気は」

「へえ……あの、癲癇でございます」

「癲癇? どれどれ、おや、まだ子供だな、いやそうでもない、大人かな、そうでもない、年寄みたようでもある、おかしな野郎だな」

道庵先生は、裸体で気絶している小男の身体に眼を擦りつけて一通り見て、

「冗談じゃねえ、こんな癲癇があるものかい、これは打身だ」

「ええ……」

「高いところから落っこったんだい、それもちっとやそっと高いところから落ちたんじゃねえ。野郎、喧嘩をしたな、喧嘩をして簀捲きにされて高いところから突き落されたんだ、これここに縄のあとがある、縄でギューギュー引括られて突き落されたんだ、人をばかにしていやがる」

「先生、それに違いありません、どうかお静かに願います」

「お静かに? よし、それでは静かにしてやる」

道庵先生は、わざと段違いの低い声をする。

「まだ脈はございましょうか、見込はございましょうか」