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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

それでがんりきがニッと笑って、

「兄貴、それじゃお先へ御免を蒙るよ」

「しっかりやってくれ」

「まだ早いな」

また一口飲んで、蒲団を敷いてもらって、二人は寝込んで夜の更けるのを待っています。

がんりきが夜更けて再び忍んで行った時に、かの部屋の燈火は消えていました。障子の外で暫らく動静を窺っていたがんりき。暫らくすると音もなく障子があいて、がんりきは部屋の中へ入ってしまいます。

身を畳の上に平蜘蛛のようにして、耳を澄まして寝息を窺ったが、紙張の中に人ありやなしや。

がんりきの眼は闇の中でもよく物が見えます。それはがんりきに限ったことはない、盗みをなす人は大抵は皆そうであるはずです。

畳の上に吸いついて紙張の中を見ていることやや暫く、どうしてもがんりきに判断がつかぬ、合点がゆかぬ。

彼も七兵衛との話の模様では、一ぱしの盗人であろうけれど、紙張の中が何者であるか、起きているか醒めているかさえ、どうしても合点がゆかない。それを知るべく小半時を費してしまったのですがついに解決がつかないで、そのまま蟻の這うように井桁の葛籠の方へ寄って、やっと片手をその葛籠へかけました。