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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

もうたった三里行きさえすれば清水港、そこに姉妹のようにしていたお松さんが待っている。

ようやく清水港の近くへ来た時に、お君はその景色のめざましいことに驚かされてしまいました。

右の方へは三保の松原が海の中へ伸びている、左の方は薩峠から甲州の方へ山が続いている。前は清水港、檣柱の先から興津、蒲原、田子の浦々。その正面には富士山が雪の衣をかぶって立っています。

「まあ、なんという眺めのよいところでしょう」

お君は立って風景に見とれていました。

秋の日が右に落ちて、今で言えば四時頃の時でした。船をたずねて波止場へ行く道を人に尋ねると、人はよく教えてくれましたから、お君は、その通りに行こうとする時分に、後ろから喧ましい蹄の音。振返って見ると、砂烟を立てて一頭の駄馬が人を乗せて驀然に走って来ます。お君は驚いてその馬を道傍に避けると、馬は人を乗せた上に、また一人の旅人がその轡面を取って駆けて来るのです。轡面を取っている男は、逸る馬を引き止めるつもりではなく、それと一緒に走るつもりのように見えました。それはなんとなく穏かでない光景ですからお君は、ムクと一緒に道傍に立って馬の過ぐるのを避けました。