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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁

青空文庫

惣太は面を出して見ると、都合十一人、筒袖に野袴をつけたのや、籠手脛当に小袴や、旅人風に糸楯を負ったのや、百姓の蓑笠をつけたのや、手創を布で捲いたのや、いずれも劇しい戦いと餓とにやつれた物凄い一団の人でしたから、

「やあ、お前様方は何だ」

「驚くことはない、これから紀州の方へ通る者だが道に迷うた、暫らく休息させてもらいたい」

「へえ、よろしゅうございます、こんな狭苦しいところでございますが」

惣太は杉板を三枚合せて綴った戸をあけて、中へ一行を招じ入れたが、気味の悪いことは夥しい。

「お前様方は、あの天誅組のお方様でございますか」

「何でもよろしい、そこを締めろ」

「へいへい」

「さあ、猟師、何か食うものはないか」

「別に何もございません、なにしろ、この通りの山小屋でございますからな」

「それは何だ」

「これは猪でございます」

「猪! それは至極よろしい、その猪を売ってくれんか」

「お売り申してもよろしゅうございます」

「よしよし、それでは買おう、鍋もそのままにして、味噌か醤油もあるであろうな」

「エエ、ただいま出して上げまする」

思わぬところで意外の御馳走。一行は炉の周囲をかこんで小舎いっぱいに拡がって、