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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
「そこを落ち延びると、忽ち紀州勢が現われて藤本殿はあわれ斬死じゃ。悼ましいことではあるが、その働きぶりは、さながら鬼神のすがたであった」
「その日の夕暮、またも行手に大敵が現われて、松本総裁は牧岡氏と池氏とに後を托して、中山卿を守りて長州へ落ちよと申し含めて、自身は大敵の中で見事な切死」
「さてさて、天命是非もなし、我々こうして永らえているも、一に中山卿の安否が知りたいため」
「それも、どうやら望みが絶えたわい――」
このなかでは最も重い、組の監察をしていた酒井賢二郎が言い出でた一語は沈痛に響きました。それは絶望の叫びであって同時に覚悟の決定を促すように聞えたから、一同は暫らく無言で酒井の面を見ていると、酒井は、
「それに比べては僭越であるが、建武の昔、楠正成卿が刀折れ矢尽きて後、湊川のほとりなる水車小舎に一族郎党と膝を交えて、七生までと忠義を誓われたその有様がどうやら、この場の風情と似ているではないか」
「いかにも……」
「もはや、いずこへ落ちたとて袋の鼠、飢え疲れて名もなき者の手にかかり、縄目の恥なんどに遇うて、先輩や同志の名を汚すはこの上もなき不本意、ここらで落着いて、武士らしい最期を遂げようではないか」