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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

「それだってお前、滅多にそんな物を持って歩かねえがいいぜ、岡ッ引の耳にでも入ってみろ、ただでは済まされねえ」

「大丈夫だよ、何しろ公方様の御威勢はもう地に落ちたんだから、とてもおさまりはつかねえのだ、ああやって貧窮組が出来たり、浪人強盗が流行ったり、天誅が持ち上ったりしている世の中だ」

「悪い悪い、公方様の悪口なんぞを言っては悪いぞ」

「かまうものか、公方様も今時の公方様は、よっぽどエライ公方様が出なくちゃあ納まりがつかねえ、このお江戸の町の中で、お旗本よりもお国侍の方が鼻息が荒いんだから、もう公方様の天下も末だ」

「なんだと、この野郎」

「なんでもねえ、実地のところを言ってるんだ」

「野郎、ふざけたことを吐すな、このお膝元で、永らく公方様の御恩になっていながら、公方様の悪口を言うなんて飛んでもねえ野郎だ」

雑談が口論となり、口論が喧嘩になろうとするところへ、

「まあまあ、皆さん、お静かになさいまし」

現われたのは、問題の片手のない中剃りの上手な親方。

「憎い野郎だ、公方様の悪口なんぞを言やがって」

一人は余憤勃々。それを銀床の親方はなだめて、

「少し酔っぱらってるようでございますね」