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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁
白昼とはいえ、人通りのあまりないところで助けを叫ぶ人の声、
「頼む! 頼む! 助けてくれ」
足を留めて見ると、およそ二町ばかりを距てた道の傍らの柿の木と覚しい大きな木の上で、しきりに助けを呼んでいる者がある。
これはおかしい、木の上で、ひとりで呼んでいる。気狂いではあるまいかと兵馬は思いました。木の上に登って助けてくれというのは、たいてい大水の場合に限るようです。下を見れば水も何もありはしない、尋常平凡な畑道の中で、木の上から助けを呼ぶのはおかしいと思いながら、宇津木兵馬はその方へ急いで行って見ると、木の下に真黒な動物。
なるほど、犬に逐われたな、狂犬だろう、大きな犬だ、あれに逐いつめられて木の上へ登って、そこから助けを呼んでいるというのは笑止なことだ、その声を聞けば子供でもないようだが、大の男が犬に逐われて助けてくれは、いよいよ以て笑止なことだと、兵馬は微笑しながら木の下へ近づくと、
「どうか助けて下さい、その犬を追い払って下さい、狂犬でございます。この通り向脛を掻払われて、着物なんぞもズタズタでございます、すんでのことに命を取られるところを、やっとここへ逃げ上ったんでございます、そこに附いていられちゃあ逃げることができません、どうか犬を追い払っておくんなさいまし、助けておくんなさいまし」