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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

さきに柿の木の上で助けてくれ助けてくれと泣き声を出したことなどはにも出さず、鬼の三匹も退治して来たようなことを言っているから、兵馬はイヤな奴だと思います。

この二人はベチャクチャと喋った揚句に、打連れてこの堂を出かけて行きました。あとにひとり残された兵馬。大方あいつらはここだけでは飲み足りないで近所の居酒屋へでも飲みに行ったものだろうと思いました。それで兵馬は落着いて眠ることができました。

その夜中に俄然として兵馬の夢が破られたのは、凄じく吠える犬の声からであります。

兵馬はその犬の声で夢を破られると同時に、外で、

「痛ッ」

と絶叫する人の声。ガバと刎ね起きて雨戸を推し、燭台を取って外の闇を照して見ると、二人とも打倒れてウンウンと唸っているのは金助と木莵入であるらしい。その傍に立っている人の影が一つ。

「もし、あなたは宇津木様ではございませんか」

「エエ?」

外から呼ばれたわが名。それは女の姿であり女の声であることだけはたしかです。

「もし、わたしは君でございます、伊勢の大湊を出る時に船でお世話になりました、あの君と申す女でございます」

「ああ、お君どのか」