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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

刀を抜かないで、掌を突き出して米友の槍の出端を抑えるようにして、

「君のその槍は、拙者の小手を突くつもりだろう」

といいました。これには米友がピリリと来て、

「エ?」

といって眼を円くしますと、

「君の槍は奇妙千万で何とも形容ができない。いったい、君はどこでその槍を習った。槍先はたしかに宝蔵院の挙一になっているが、槍そのものの構え方は木下流に似ている、といって気合精神はそれらの流儀のいずれでもない、トンと奇妙千万。まあ、仲直りをしよう、仲直りをして一話し致そうではないか」

先方から講和を申込んで来ましたが、その時、米友は、

「うーん」

と唸り出しました。今度は全くわからなくなったのです。武士たるものはいっこう騒がず、

「君、まあ、この辺へ坐り給え。実は君をオドかして済まなかったが、こんないたずらをしてみたのは、この辺が辻斬の本場になって、世人が迷惑を致すから、ひとつ見せしめを試みて、今後を戒しめようとして、こうして網を張ってみたのだが、求めてみるとなかなか獲物はかからない、ところへひっかかった君は、案外の雑魚だと思ったら、実は意外の掘出し物であったのだ。勘弁し給え」