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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
と言う。
「何ですって」
それをお雪が聞きとがめると、番頭が、
「お万殿の夜詣りでございまして、はい」
と番頭が答える。
「お万殿の夜詣りというのは何ですか」
お雪が念を押してたずねる。
「ええ、何でございますか手前もよくは存じませんが、月に一度ずつ、お万殿の夜詣りということがございまして、その晩、九ツ半過、外へ出ますと、祟りがあるといい伝えられているのでございますから、なにぶん……」
「ええ、ようござんす」
お雪が、それを承知してしまいました。断わられなくても、大抵の人は九ツ半過、今の夜中から一時までの真夜中をかけて、出て歩く必要はないはず。
そこで、番頭が行ってしまったあと、お雪ちゃんは、まだ何か物足らない面で、
「お万殿の夜詣りって何でしょう、外へ出ると祟りがあるんですって」
「ナニ、詮索するがものはがあせんよ、土地の習わしですから、郷に入っては郷に従えといってね」
「ですけれども、こんな夜更けにわざわざお詣りをなさるお万殿という方も、気が知れない」
「何か因縁があるでがしょうね」
「丑の刻詣りじゃないでしょうか。丑の刻詣りの人に道で行逢うと、祟りがあるっていいますから――」