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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
お雪の手にしたのは、まだ新しい木曾のお六櫛。
拾っても悪い、落しても悪いという女の櫛。しかもそれが自分のほかには女のいないこの席に、真二つになって落ちていた。
お雪はその時、なんとも言えない忌な気持になりました。
十一
この座敷は、それで済まされたが、どうしてもそのままでは済まされない座敷がありました。
「ナニ、九ツ半過から外へ出るな、お万殿の夜詣りがある、それを見ると祟りがあるとは奇怪千万」
元治元年に京都で暗殺された佐久間象山の門生が二人――ちょうどこの宿屋に泊り合せていたのが肯いません。
第一、そういう迷信のために、一種の交通遮断を行うのは、迷信を仮りての暴虐である。これに甘んじて従うのは近代人の恥辱である。と力んだわけではないが、久助や、お雪ほどに素直にはゆかない。
「そのお万殿とはなにものだ」
「ええ、何でございますか、手前もよくは存じませんが……」
「知らない、貴様が知らぬことを、ナゼ人に強ゆるのだ」
「恐れ入りました、よくは存じませんが、お万殿が九ツ半過にここをお通りになって、諏訪の明神様へ御参詣をなさるのだそうで」
「そのお万殿とやらが、参詣をするために、なんでわれわれが外へ出て悪いのだ。