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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
こっそりと入って来たから、誰も知る者はありません。
あらかじめ二人の間に約束があったと見えて、琵琶はただちに曲に入りました。その弾奏は自慢だけに、堂に入ったところがあります。大絃は々として、急雨のように響かせるところは響かせます。小絃は切々として、私語のように掻き鳴らすところは鳴らします。宮商角徴羽の調べも、乱すまじきところは乱さずに奏でます。
果して、弁信法師が、琵琶を弾かせて名人上手といえるかどうかは疑問だけれども、ごまかしを弾かないことだけは確かのようで、曲に第五の巻の月見を選んだことは、如才ないと見なければなりません。
「旧き都は荒れゆけど、今の都は繁昌す、あさましかりつる夏も暮れて、秋にも既になりにけり、秋もやうやう半ばになりゆけば、福原の新都にましましける人々、名所の月を見むとて、或ひは源氏の大将の昔の路を忍びつつ、須磨より明石の浦づたひ、淡路の迫門を押しわたり、絵島が磯の月を見る、或ひは白浦、吹上、和歌の浦、住吉、難波、高砂、尾上の月の曙を眺めて帰る人もあり、旧都に残る人々は、伏見、広沢の月を見る……」
弁信は得意になって旧都の月見を語りました。