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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

お角はそれを通り越して、いちずに向っているのがお絹のことです。こうしてお銀様を逃がしたのは、てっきりお絹の指金にちがいないと、いちずに思い込んでしまいました。

もとより、これは前例のないことではない。いつぞやも、せっかく人気を集めた清澄の茂太郎を中途からかっぱらって、こちらに鼻を明かせたのもあいつの仕業。またしても、こんなこと。お角は、いっそ匕首でも懐中して怒鳴り込み、刺し殺してやりたいほどに、お絹を憎み出しました。

お絹にとってはいい迷惑で、お角が大事に保護(?)しているお銀様を逃がしたのが、お絹の仕業でないことは確かで、それは間違いなく金助というおっちょこちょいの、よけいなお喋りがもとであるけれども、お角が一時にそう恨みをかけるのも、日ごろが日ごろだからぜひがないと申さねばなりません。また事実においても、もしお角がああしてお銀様を保護し、それを上手に利用することを知っていたなら、あの女は、きっと何か茶々を入れるくらいのことをやったのにちがいないのであります。

こうして、お銀様を逃がしたのは、いちずにお絹の計略だと思い込んで、怒鳴り込んで刺し殺してやりたいほどに腹の立ったお角も、そこはさる者だから、怒りに乗じてあとさきの見えないことをやり出しはしません。