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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

「梅ちゃん、お前ここにいたの?」

「ええ、いましたとも、心中なんかしやしないわ」

「でも、たしかに梅ちゃんだって、みんなが言うから、わたし、ちゃあんと見届けて来たのよ」

「そんなはずはないわ、わたしはここにいたんですもの」

落語の二人久兵衛のような話で、二人ともに煙に巻かれてしまいました。

あんまりおかしいから、お梅がよく尋ねてみて腹を立てました。

それはこういうわけです。

心中があると騒ぎだしたのは、この朝、両国橋に男物と女物との下駄が半分ずつぬぎ捨ててあったのを、通りがかりのものが見つけ出して、それ心中だと大騒ぎになり、例によって黒山のように人だかりがはじまった中へ、女軽業のおちゃっぴイ連もかけつけて見ると、女物の下駄に見覚えがある。

「あら、このポックリは梅ちゃんのだわ、ちがいないわ」

そこで、心中の片割れは、親方のお気に入りの娘分、お梅にまぎれもないということになってしまい、早速こうして御注進に駆けつけてみると、心中の片割れであるべきはずの御当人が、平気で挨拶に出たから双方あっけに取られた始末です。

注進に来た、おちゃっぴイの方は、まあ間違いでよかったと安心したが、納まらないのはお梅で、