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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

「まあ我慢おし、そのうちあの野郎が来たら、水をブッかけておやりなさい。それから今日はちょっと廻り道をして行きたいから、早く出かけましょう、梅ちゃん、そのつもりで支度をし」

ほどなく軽業小屋から留守番に来た女連といりかわりに、お角はお梅をつれてこの家を出て行きました。

いつもならば直接に回向院の興行場へ行くのに、今日はどこぞ廻り道をするところがあるとみえます。

十九

お角はお梅をつれて柳橋の遊船宿に立寄り、駒井甚三郎を訪ねてみましたが、不在とのことであります。

不在といっても、房州の洲崎へ帰ったのではない、昨日の夕方、ただひとりでどこかへ出かけていったままだとの返事でしたから、お角も少し失望しました。

しかし、お角は必ずしも駒井だけを当てにして来たのではないと見えて、そのまま素直に踵を廻らしてしまいます。

船宿の亭主が答えたように、駒井甚三郎が、昨夕宿を出てまだ帰らないことは事実であります。どこへ行ったか、それは別段、問題にするほどのことではない。その夕方、駒井はどう気が向いたものか、絶えて久しく訪れなかった番町の自分のもとの屋敷の方へ、おのずと足が向いたのであります。