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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
ばこそ……また徳川の宗族も、自ら省みれば、あの女の乱行を抑えるの権威がない。
まだ子供心の失せぬ時分、徳川家から豊臣家へやられたのは、政略のための人質に過ぎないし、後に坂崎出羽に与えられようとしたのは、働きに対する懸賞品の代用として扱わるるに過ぎなかった。女性を、娘を、物品として取扱うことをしか知らぬ父祖というものに対して、この女が呪いの心を発したというのはありそうなことである。
そして、この女は我儘の目的物として、美男の本多忠刻をえらんだ。
忠刻が、この美人に思われて夭死をしたのは、お輿入れ間もないことで、その死因は単純な果報負けだともいうし、坂崎余党のうらみの毒によるものだともいうし……また、昼夜に弄ばるる天樹院の、限りなき情慾の犠牲に上げられたものだともいう。
天樹院の乱行には、まさしく復讐の念をふくんでいなかったとは誰もいわない。
女の復讐は、いつも魂をいだいて泥土の中に飛びくだる――そうした時に、征夷大将軍の力もそれを救うことができない。
駒井甚三郎は、昨晩一学からいわれ、その時はほとんど念頭に置かなかった言葉の節々が、今や重く胸にわき上ってくるのを覚えました。