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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
「弁信さん、あたいが悪かった、たしかに聞えるよ、たしかに、あたいの耳にも馬の足音が聞えて来たよ」
その時坐っていた茂太郎が、席を立ち上りました。
子供とはいえ……、立ってみれば月見草よりも背が高い。立って、そうして茂太郎が前後と左右と、遠近と高低とを見廻したけれど、月の夜の河原に見咎め得べきなにものもありません。
「ええと……一つ……二つ……三つ……四つ……」
弁信は坐ったままで、小声で物の数を読みはじめました。
「何を言っているの、弁信さん」
「五つ……六つ……七つ……八つ……」
弁信はしきりに数を読んでいる。茂太郎はそれを不審がっているうちに、
「十……十一……十二……十三……十四……十五……!」
で終りました。
「ああ、これですっかり腑に落ちた。茂ちゃん、馬の数は十五だよ、つまり十五人の人が、馬の轡を並べて東の方からやって来たんですよ。夜中に十五人も馬を並べて通るのが只事ではないと思って考えてみたが、江戸の侍たちが月見の遠乗りに、この分倍河原をさして来たものでしょう。今夜はいざよいですからね」
ところがこの十五騎の蹄の音がやむと暫くたって、府中の町がひっくり返るような騒ぎになりました。