輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
「違えねえ」
がんりきは額を丁と打って、
「この間の晩、小名路の宿を通ると、雲助連中が、小仏へ天狗が出た、天狗が出たというから、よく聞いてみると、なんのことだ、天狗というのは、おおかた兄貴のことだろうと俺だけに察しがつくと、おかしくってたまらなかった。ところで、兄貴、その三つのうちのドレが本物だか、そこんところをひとつ後生だから!」
「三つとも見ようによれば、みんな本物だろうじゃねえか」
「世話が焼けるなあ、がんりきはなにも親の敵をたずねてるんじゃありませんぜ」
「俺の知ったことじゃねえ、爪先の向いた方へ勝手に行ってみろ」
七兵衛が取合わないで、再び鍬の柄を取って地均しにかかると、がんりきはそれを黙って暫く見ていたが、
「なるほど、こりゃ聞く方が野暮だった、おっしゃる通り、爪先の向いた方へ行ってみることにしよう、兄貴、さよなら」
といって、さっさと松の木の間へ姿を隠してしまったから、七兵衛はその後ろ影を見送って、
「野郎、気味の悪いほど素直に行っちまやがった」
本来なら、掘り出した一品に何か因縁をつけて行くべき男が、一言もそれに及ばずして行ってしまったから、かえって七兵衛が手持無沙汰の体です。