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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《天狗外伝 斬られの仙太(てんぐがいでん きられのせんた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,347 字 · 243 頁
隊一 そうか、下野太平山か! やれやれっ!(使者とすぐそこですれ違ったらしい前出の早田が門内の道をトットと走って出て来る)おお早田! また水戸へか? 本隊は太平山だぞ!
早田 ウム、忙しくなって来た。知っている。進発かな、いよいよ。真壁の仙太郎居るか?
隊一 うむ、屯所だ。どうして?
早田 山上ですぐ来るようにと呼んでいられる。僕は急ぐから、君、そう言ってくれ!
隊一 承知した! しかし早田、その君、僕と言うのは止さんか、耳ざわりでならん。仙太に何の用事だ、あれはどうも――
早田 おいおい、旧弊なことを言うのは止めろ。僕は急ぐから、では頼んだぞ!
小走りに花道へ。隊一はそれをチョッと睨んでいた後で、舌打ちをしてクルリと振返り、右手屯所の方へ去る。花道の揚幕から尻の方から先に後向きになって出て来る段六。ここへ来るまでに何度もおびやかされたらしく麓の方を見込んでは顫えながら。本舞台から走って来た早田、それに突当りそうになって踏止り、相手の後向きの姿にビックリして見上げ見下ろす。段六彼方此方をおびえた顔で見廻しながら、後退りに歩いて七三。早田呆れて見ながら、これも後退り。