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だざいおさむじょうしこう
太宰治情死考
線上閱讀坂口 安吾《太宰治情死考(だざいおさむじょうしこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,715 字 · 10 頁
いわば、常時に於て、特攻隊の如くに生きつつあるものである。常時に於て、仕事には、魂とイノチが賭けられている。然し、好きこのんでの芸道であるから、指名された特攻隊の如く悲痛な面相ではなく、我々は平チャラに事もない顔をしているだけである。
太宰が一夜に二千円のカストリをのみ、そのくせ、家の雨漏りも直さなかったという。バカモノ、変質者、諸君がそう思われるなら、その通り、元々、バカモノでなければ、芸道で大成はできない。芸道で大成するとは、バカモノになることでもある。
太宰の死は情死であるか。腰をヒモで結びあい、サッちゃんの手が太宰のクビに死後もかたく巻きついていたというから、半七も銭形平次も、これは情死と判定するにきまっている。
然し、こんな筋の通らない情死はない。太宰はスタコラサッちゃんに惚れているようには見えなかったし、惚れているよりも、軽蔑しているようにすら、見えた。サッちゃん、というのは元々の女の人のよび名であるが、スタコラサッちゃんとは、太宰が命名したものであった。利巧な人ではない。編輯者が、みんな呆れかえっていたような頭の悪い女であった。もっとも、頭だけで仕事をしている文士には、頭の悪い女の方が、時には息ぬきになるものである。