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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁
だから先生と言われるのに、そう驚くことはないと私はその頃はもう知らされていたが、しかしやっぱり照れて顔を撫でくり回していると、
「ねえ、先生。会をやって下さるんですッてね。ぜひひとつお願いします。正直に言いますが、あっしたち、今が一番大事なところで、――ここでグンと乗り出したいとおもうんで、――それには、どうしても先生方の後援がないと……」
「いやア……」
「そんなこと言わないで、ねえ、可愛がって下さい。お願いですから、あっしたちをひとつ売り出させて下さい」
私も正直に言うが、――そういう工合に媚びられて、私は私のだらしない性分としてそう悪い気持ではなかった。いや、――陰で何を言われているかわからないと思っても、表面そう言われると、なかなかいい気持であった。私は、この瓶口とかつては同じ座にいたことがあるという末弘春吉のことを思い出し、末弘の何か下手なもそッとした態度と対比しながら、この瓶口はたしかに出世するなと思った。末弘の方が個人的には、つまり落魄的雰囲気の漂ったお好み焼屋などの好きな私には、親しみが持てる意味で、好きは好きだが、一方ヘンな虚栄心を心のうちの、どこか手のとどかないようなところに、そっと恥かしい皮癬みたいに隠している私は、それを上手に掻いてくれる瓶口も好きだった。