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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁

青空文庫

店の客も公園の小屋の関係のものが多かった。そこは、生粋の琉球の泡盛を売っていて、出港税納付済――那覇税務所という紙のついた瓶が、いくつも入口に転がっていた。浅草の連中は、インチキな酒類を平気で楽しんで飲むが、それは騙されて飲むのではなく、インチキと承知の上のことで、だから泡盛のほんもの、うそなどということの舌での鑑定にかけては、商売人はだしである。朝野がその一人であった。朝野は、婆さんと「来たぞ」「おや、騒々しいのが来た」といった口をきき合うなじみであった。婆さんは、それが商売上手の口なのだろうが、まるで客扱いなどしないぞんざいな口をきいた。

泡盛が入ると、朝野の舌が再び動き出した。「惚太郎」の話を始めた。

「惚太郎のおやじ、――奴さんは、あれでなかなか大した芸人なんですぜ、今じゃお好み焼屋のおやじでくすぶっているですがね」

「戦争の怪我で舞台に出られないとか……」

「いや、それがね、それがなんですわ。出られないというのは、まんざらウソでもないらしいが。――保定でやられたんだってね。奴さん、工兵で、――話を聞いたでしょう。聞かない? 聞いてごらんなさい。