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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

線上閱讀高見 順《如何なる星の下に(いかなるほしのもとに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 頁

青空文庫

「おや、ぺん吸は?」

これは女中に――。はんぺんの吸物を注文してあった。

「はい、ただいま」

店は、ごった返しの混みようである。私たちは二階の隅に坐っていた。女中が去ると、

「お吸物があとになるナンテ、いやになっちゃうね」

そう言いながら、すでに釜の蓋をあけて、湯気の立ち上るなかに箸を入れて、早速一口やって、

「あッつつ」

眼を白黒させた。まるで飢えた犬が固い骨を持てあます時のような、滑稽であさましいその口の恰好に、

「まあ、おかしい」

サーちゃんが雅子の膝に手をやって、その膝をゆすぶってゲラゲラ笑った。雅子も、くすぐられたみたいに身体をよじらせて笑った。

――齢こそ若くても、踊り子の彼女たちは、もう立派な一人前の生活者である。だが、そうやって手を取り合って笑いこける二人は、無邪気な子供のようであった。生活ということなど知らない子供のような無邪気な笑いであった。

朝野は、しかしその笑いに気を悪くしたらしく、

「三枚目にされとるですな、僕は。――倉橋君は、ちょっとした二枚目で……」

と、私にあたる声だった。

そんな私たちの隣に、山の手から浅草に遊びに来たらしい、そう身なりはよくないが、おっとりした、感じのいい老人夫婦が、――二人でひとつのテーブルなのだから、向い合って坐ったらよさそうなものに、テーブルの角に、お互いに