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むすめとおおきなかね

娘と大きな鐘

小川 未明

線上閱讀小川 未明《娘と大きな鐘(むすめとおおきなかね)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,769 字 · 8 頁

青空文庫

なぜなら、毎朝、また毎晩、あちらの村から、規律正しく打つ、時の鐘が、ほがらかにきこえてきたからであります。

「あの寺男が臥ているなら、ほかのものを代わりにさせればいいのだ。この村には、遊んでいるものが、幾人もあるはずだ。」といったものがあります。

「俺の甥は、びっこで、野ら仕事に向かないが、寺男ぐらいはつとまるから、お坊さまに話して、使ってもらうべえ。」といったじいさんもありました。

百姓たちは、寺へ押しかけてきました。

「ここの寺男は、どうして、鐘を打たないのだ? 病気で打てなけりゃ、ほかに、いくらでもつとめるものがある。俺たちの村ばかり、毎日、火の消えたようでは、ほかの村に対しても、こんな大きな鐘を持ちながらみっともねえし、だいいち朝起きるにも、仕事を休むにも不便で困っちまうだ。」と、わめくように、いいました。

「まことに、もうしわけがありません。きっと明日から鐘をつきます。もう、今日一日、休ましてください。」と寺男は、臥ながら、手を合わして、拝まんばかりにして、みんなに頼みました。

「じゃ、今日だけ我慢してやる。明日の朝から、鐘をつかねえようなら、きっと、ほかの男にお坊さまにいって代わってもらうから。