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ごらくろん

娯楽論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《娯楽論(ごらくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,484 字 · 29 頁

青空文庫

暇つぶしや退屈凌ぎは夫々の個人の私事に吸収されている現象で、それ自身では社会的な立体を形づくらないものだ。その意味に於ても、之は消極的だったのである。有閑層の産物であることが往々であるのも、有閑層の生活が社会的労働から縁遠く、社会に於ける積極的な立体性をもった文化形象の一切とから割合離れているからなのだ。娯楽を最も濫用しているものは事実有閑層であるが、娯楽を本当に要求し、従って本当に娯楽というものの価値を理解出来るものは一般勤労民衆でなければならぬ、ということになるのである。

暇つぶしや退屈凌ぎは、まだ何等娯楽にはならぬ。娯楽には生活感の促進を催す処の、あの文化一般の素の味である処の、積極的な熱情があり、文化一般の健康感を結果する処の、あの建築的で蓄積的な生産的能力が備わっている。たといその文化的な身上があまり高くないにしてもだ。単に無間地獄に落ちないだけのための、暇つぶしや退屈凌ぎと根本的に異る所以だ。

娯楽は又、休息や慰安とも密接な縁故があるだろう。だが休息と娯楽とをすぐ様結びつけて考えることは、実は休息を労働から無雑作に切り離して考えることであり、従って又娯楽を労働から引き離してしか理解しないことだ。