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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《婦人と文学(ふじんとぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 頁
は所謂有名な作品とはならなかった様子である。そして、表面開化しながら内実は封建性の暗さ重さに圧しつけられていた社会全般の生活は、木村曙によって文学に導き入れられたひろい社会的生産的題材というものを、つよく云えば数十年後の今日まで、婦人による文学の領域で発展させないままに来たのであった。
二、「清風徐ろに吹来つて」
(明治初期二)
三宅花圃が昭和十四年の春ごろ婦人公論にのせた「思い出の人々」は、いろいろの意味から面白い自伝であった。花圃の幼年時代の生活が、倒壊してゆく幕府の運命の埃を、その肩に蒙るばかり近くあったせいか、同じぐらいの年配でも地方出身の人たちは使わない徳川「瓦解」とか「御一新」とかいう表現のうちに、江戸から東京への推移の感情を生々しくつたえている。その思い出のなかに、明治十九年の秋、中島歌子の「萩の舎」で催された九日の和歌の月並会での一情景が、語られている。
「出席して見ますと、みんなの前におすしを配っている、縮れ毛で少し猫背の見なれぬ女の人が居りました。私は江崎まき子さんと床の間の前に坐ってべちゃくちゃお喋りをしておりましたが、ちょうど私たちの前へ運ばれて来たお皿に、赤壁の賦の『清風徐ろに吹来つて水波起らず』