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こどものせかい
子供の世界
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《子供の世界(こどものせかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,793 字 · 4 頁
童心のきよらかさとはどういうものだろう。子供はわるいことをする。ひどいこと、すごいこと、そのどっちもする。子供の心にある憎悪は大人を恐怖さえさせる。それでも子供の心がきよらかだというのは、どうしてだろう。子供は、憎らしいから、うんと憎らしい顔をしてみせるので、ここいらでこんな顔も見せておこうという意識されたジェスチュアはない。きよいというのならば、その点を云える。だから、私たちは子供相手で本気に腹を立てるし、泣いたり、よろこんだりもする。
子供の世界を描いた文学の多くが、何となく清潔感を欠くのは、ここのところの解釈に微妙な関係をもっている。純真ということを、大人の一生懸命さにひきつけて意味づけたり、無心さを、いじらしさと溶けあわさせたりして、大人の感傷に作家が我知らずこびるとき、子供の世界の最も生粋な陽なたくさくて、心持のいい颯爽さは消えて、そこに子役が登場して来る。
現代の文学史のなかで、昭和十三年ごろ、子供を描いた作品が流行したということには、なおざりにされない意味が感じられる。この時期に日本の文学は、人間肯定の行手に様々の障害をみて、文芸評論は骨格を失い、批評文学という名で呼ばれる主観的な断想表現の道へ歩み入った。