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がっかいのじゅんすいしじしゃとして

学界の純粋支持者として

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《学界の純粋支持者として(がっかいのじゅんすいしじしゃとして)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,113 字 · 5 頁

青空文庫

日本は世界の一般大衆が邪魔になる程科学者の図書利用が激しいのだろうか。

併し第三の意味の学界がある。日本何々学会という種類のものが夫で、主に例の研究室夫々の家の子郎党達の緩衝的外交地帯をなすものだが、同時に又研究室人の学界を一般社会に推し出すメカニズムともなっている。之には直接研究室生活をしていない在野学者や素人学者も儀礼的に動員されるのを常とする。私はそういう学界ならば関係を有っているものもあるが、併し之は学術上の研究のための世界ではなくて、アカデミシャンの社交界なのだから、理事になったり会長になったりしたがらない限り、不平などのあろう筈はない。

その他にごく少数の私設(?)の学会乃至学界がないではないが、今まで云って来た点から見る限り、あまり問題にはならぬ。でそこで学界の種類はもう尽きたように考えられるかも知れないが、処が最後に本当の学界が残っているのだ。というのは、この現実の社会で学術が支配的影響力を有つ限りの世界が、広義の所謂「学界」――学壇――であることは今更述べるまでもないからである。併しそうなると、前に云った研究室に於ける学者の一種の家庭生活や、書物の貯蔵や学者のメーデーのようなものとは異って、社会的に云って非常に真剣な意味を有って来るのであり学問の本当の根本精神に触れて来るのである。