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いえ

家

島崎 藤村

線上閱讀島崎 藤村《家(いえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,411 字 · 285 頁

青空文庫

それを言出した。

「ああいう強壮な体格を具えた異人ですらもそうかナア、と思いましたよ。なにしろ、僕なぞは随分無理な道を通って来ましたからネ。仕事が済んで、いよいよそこへ筆を投出した時は――その心地は、君、何とも言えませんでした。部屋中ゴロゴロ転がって歩きたいような気がしました」

正太は笑わずにいられなかった。

三吉は言葉を継いで、「自分の行けるところまで行ってみよう――それより外に僕は何事も考えていなかったんですネ。一方へ向いては艱難とも戦わねばならずサ。それに子供は多いと来てましょう。ホラ、あのお繁の亡くなった時には、山から書籍を詰めて持って来た茶箱を削り直して貰って、それを子供の棺にして、大屋さんと二人で寺まで持って行きました。そういう勢でしたサ。お繁が死んでくれて、反って難有かったなんて、串談半分にも僕はそんなことをお雪に話しましたよ……ところが君、今度は家のやつが鳥目などに成るサ……」

「そうそう」と正太も思出したように、「あの時はエラかった。私も新宿まで鶏肉を買いに行ったことが有りました」

「そんな思をして骨を折って、漸くまあ何か一つ為た、と思ったらどうでしょう。