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いえのはなし
家の話
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《家の話(いえのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,799 字 · 23 頁
これにはまた戦術の変化ということも、従たる一原因になっている。今日の戦争に較べると話にはならぬが、飛び道具の突然の輸入から、戦争の危険の急に増加した時代がある。中世以前の武家は、防禦工作物と住宅とは別であって、寄手を野外で追い返すことのできぬ場合には、きまってわが屋敷に火をかけて、後の山に駈け上って防戦をしたのに、だんだんと財貨が城下に集り経済組織が緻密になるにつれて、平日の生活を重んじた結果、城下の民を合せて防衛する必要が起った。そこでなるべく多数の武士を膝元に呼び寄せておくことになったのである。
この大小二つの理由から、どうしても武家は農家から別れねばならぬようになったのである。この変化はこれまでの学者がさほど注意を払っておらぬが、日本の社会にとっては、後にも先にも比類を見ないほどの悲惨なる大革命であった。昔の古い書物には、村に住んでいた武家を郷士もしくは郷侍といった。近世のいわゆる郷士とは大分性質の違ったものである。あるいはまたこれを国侍とも地侍ともいった。地侍はいわゆる地卵や地酒の「地」であって、大名が他国から入り込んで後の名前である。